燃料電池の歴史
燃料電池は、1839年にイギリスのグローブ卿が水の電気分解をヒントに、水素と酸素から電気が作れないか実験し、成功・発見したことに始まります。その後、研究が重ねられた結果、NASAでも採用され、アポロ宇宙船にも搭載されました。映画化された「アポロ13」の事故は、呼吸及び燃料電池用の酸素タンクが爆発したものでした。しかし、一般への実用化を図るには容積が大きすぎるので、小型化が不可欠でした。1986年頃になり、カナダのバラード・パワー・システム社が小型化に成功し、実用化の可能性が高まりました。そして、世界中で研究が行われ続け、現在に至っています。
燃料電池の種類
燃料電池の種類及び特徴は、次のとおりです。
種類 |
反応ガス |
電解質 |
動作温度(℃) |
発電効率(%) |
固体高分子型(PEFC) |
水素 |
イオン交換膜 |
80 |
35〜45 |
りん酸型(PAFC) |
水素 |
リン酸 |
200 |
35〜45 |
溶融炭酸塩型(MCFC) |
水素、CO |
炭酸ナトリウム/
炭酸リチウム |
650 |
45〜60 |
固体電解質型(SOFC) |
水素、CO |
酸化ジルコニウム |
800〜1000 |
50〜60 |
燃料電池の利用形態
燃料電池の利用には、次の3つが有望視されています。
注:コージェネレーションは、燃料電池で発電した際に発生する排熱でお湯を沸かすなどの排熱利用です。
灯油の改質
原燃料(石油、天然ガス、プロパン、ブタンなど)から水素を抽出するための化学処理である改質には、
の3つの方法があります。
灯油の改質については、その性質上、難しいといわれてきましたが、国、石油会社、関係団体などによる研究の結果、灯油の脱硫装置の開発に成功しました。
注:脱硫装置とは、改質器や燃料電池の触媒に吸着して性能を低下させる原因となる硫黄分を原燃料から除去するための装置です。
灯油改質のメリット
灯油改質のメリットは、次のとおりです。